別人になりすまして復縁した話【Bくん⑪】

別人になりすまして復縁した話

デート前。

待ち合わせの場所をチェックすると

元彼Bくんの職場から徒歩5分のカフェだった。

待ち合わせ場所:「都内」としか設定していないのに、
こんなピンポイントになるかね・・・

Bくんとは電話を最後に、連絡をとっていない。

考えないようにデートの予定を詰め込んだのに、
どこまでわたしは翻弄されるのだろう。

 

夜のデートまではあと2時間。

季節は真冬。
いずれにせよ、どこかお店に入ってゆっくりするつもりだった。

カフェに入ると、入口からすぐ近くの席に案内される。
持ってきた文庫本を読みながら、お客さんが入ってくるたびに見てしまう。
通りがよく見える。
スケボーを持った人もたくさん。

結局、全く本に集中できずに待ち合わせのカフェに向かい、
大豆な瞳のTAさんとの時間を過ごし、
疲弊して路地を歩く。

疲れた。Bくんに会いたい。

Bくんの職場の正確な場所を聞いていたわけではないし
探して歩いていたわけではないが
特徴的な外観で、近くまで行くと気づいてしまった。

 

そうです。

ストーカーデビューしていました?

 

 

土日も仕事したりしてたもんな。

居たりしない?

職場は2階が事務所で1階が店舗になっていた。
お店にいることもあるって言っていたな。
全面ガラス張りで、中は丸見え。

ということは、あちらからもわたしが見える。

 

居たりしない?

 

お店の中には数人。

 

居たらどうしよう?

 

お店はもう目の前。

 

会って、わたしはどうしたいんだっけ

 

 

 

 

くるり、と向きを変える。

 

だめだ。
自分がどうしたいのかわからない。
ヨリを戻したい?ちがう。
なんて声をかけたら良いのかわからない。

 

わたしの臆病者め。

そのまま電車に乗って帰宅しました。

 

翌日にあと2件デートを控えているけど、こんな気持ちで大丈夫かなぁ。

 

つづく

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