デート前。
待ち合わせの場所をチェックすると
元彼Bくんの職場から徒歩5分のカフェだった。
待ち合わせ場所:「都内」としか設定していないのに、
こんなピンポイントになるかね・・・
Bくんとは電話を最後に、連絡をとっていない。
考えないようにデートの予定を詰め込んだのに、
どこまでわたしは翻弄されるのだろう。
夜のデートまではあと2時間。
季節は真冬。
いずれにせよ、どこかお店に入ってゆっくりするつもりだった。
カフェに入ると、入口からすぐ近くの席に案内される。
持ってきた文庫本を読みながら、お客さんが入ってくるたびに見てしまう。
通りがよく見える。
スケボーを持った人もたくさん。
結局、全く本に集中できずに待ち合わせのカフェに向かい、
大豆な瞳のTAさんとの時間を過ごし、
疲弊して路地を歩く。
疲れた。Bくんに会いたい。
Bくんの職場の正確な場所を聞いていたわけではないし
探して歩いていたわけではないが
特徴的な外観で、近くまで行くと気づいてしまった。
そうです。
ストーカーデビューしていました?
土日も仕事したりしてたもんな。
居たりしない?
職場は2階が事務所で1階が店舗になっていた。
お店にいることもあるって言っていたな。
全面ガラス張りで、中は丸見え。
ということは、あちらからもわたしが見える。
居たりしない?
お店の中には数人。
居たらどうしよう?
お店はもう目の前。
会って、わたしはどうしたいんだっけ?
くるり、と向きを変える。
だめだ。
自分がどうしたいのかわからない。
ヨリを戻したい?ちがう。
なんて声をかけたら良いのかわからない。
わたしの臆病者め。
そのまま電車に乗って帰宅しました。
翌日にあと2件デートを控えているけど、こんな気持ちで大丈夫かなぁ。
つづく
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