なにもない男

バチェラーデート

日曜、昼のデートはHさん。
38歳、建築業、年収1000万円。

女性からの評価は、黒髪、鼻筋、小顔、スタイルが良い・・・

このシステム、どうなんだろう。
文字だけだと変に期待しちゃうから逆効果なような?

バチェラーデート

カフェは人気店で予約を受け付けていなかったので、少し早めに行って席をとってくれた。

わたしも15分ほど早めに到着。

 

H「白のニットに黒のパンツです。」

 

 

 

えーと、白のニット・・・

 

 

黒のパンツ・・・

 

 

 

日曜日のお昼時。
新宿にある広いカフェ。

 

 

 

うん、同じような人いっぱいいる?

 

 

にこ「着きました!
どのあたりの席にいますか?
わたしはロングヘアのポニーテールで、黒のワンピースに蛍光紫のアウターです」

 

 

見つけてくれ!笑

 

 

しばらく既読つかず・・・

 

 

昨日の大豆くんは、故意か趣味かはわからないけど黄色のマフラーをしていた。
目立っていてくれて助かった。

 

店員「1名様ですか?」

にこ「あ、待ち合わせです~」

店員「?では、店内へどうぞ」

 

ですよね。
でも待ち合わせ相手の顔がわからないんです。笑

 

店内を何周かする。

既読はつかない。

 

 

うーん、自分の度胸と勘を信じよう。

 

にこ「すみません、Hさんですか?」

おそるおそる。

 

H「あ、はい。よくわかりましたね」

 

 

 

ピンポーン!!!??

 

 

Hさんは黒髪短髪のパーマで、清潔感がある方でした。
塩顔でルックスも悪くない。
柔らかい大人な雰囲気で、年相応に落ち着いている。

そのせいか、わりと沈黙が重かった。笑

 

にこ「お仕事は楽しいですか?」

何をしているかよりも、どんなモチベーションで働いているかを知りたい。

H「特に楽しくはないかな。他にやりたいこともないし、長く働いていて慣れてるから」

 

にこ「お休みはなにして過ごしてるんですか?」

H「特になにも。趣味もないし、物欲とかもないから」

 

 

 

 

>>>特になにも<<<

すごいパワーワード?

えーと、会話する気ってあります・・・?笑

 

 

バチェラーデートは、デート終了後に相手を採点するフィードバックシステムがある。
お相手の見た目、振る舞いを評価し、これを繰り返すことでAIが学習する。
自分の評価が上がるほどより良いお相手とマッチングできる、というもの。

 

時間どおりに待ち合わせに来たか、
礼儀正しかったか、
会話はスムーズだったか、
店員さんへの態度は良かったか、
などなど・・・

 

評価されることを知っているので、悪い印象を持たれないように気を遣う、はず。

これがこの人のデフォルトなんだなーと思った。

 

 

 

他の話をしてみても、

H「えー、それ俺は絶対できないわ」

H「そんなことやりたくないな〜」

H「俺には無理だな」

 

 

 

 

 

 

 

うん、

 

じゃああなたは何がしたいのですか?

 

 

 

とにかくやりたくないのオンパレード。
すべて否定から入る。
「まぁ、そういう人もいますよね」としか返せなくて
なんというか、、、

 

 

 

気が合わなそう。笑

 

 

 

お店を出る時に気づいたけど、背がわりと小さかった。
座っていたからわからなかった。

 

 

仕事は楽しくない。
趣味もない。
物欲もない。
会話が広がらない。
中身がない。
悪い人ではなかった。
ただ、良いところもなかった。

 

にこ「ごちそうさまでした!」
深くお辞儀する。

 

たぶんもう会うこともないでしょう。

 

わたしにこの人は満たせない。

 

 

さて、次が4連続最後のデートです。
終わり良ければすべて良し。

頼むぞ!

バチェラーデート

つづく

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