塩顔ジェントルマン【Sさん⑤完】

バチェラーデート

Sさんとデートすると、いつも別れてすぐにLINEをくれる。

Sさん「今日も楽しかったよ、ありがとう。
気を付けて帰ってね。」

優男・・・?
限界アラサーには沁みる~

次の約束をして、次まで日にちがあるからお店探しておくよ、と言ってくれた。

これはもう次会ったら告白されるかも。

「お話できる?」のお話とはそういう話だったのかも・・・!とドポジティブを発揮させるわたし。

 

今思えば、この時がピークでした。

 

 

しばらく空いて、約束の日。
月島でもんじゃな気分ということで、集合。
それがね・・・

 

めっっっっちゃ混んでた。

三社祭りの日だったー

びっくりするくらい混んでたので、会えるかLINEする。

Sさん「すみません。仕事がだいぶ押してて、まだかかりそうです・・・」

 



 

で、Sさんの仕事が終わったのが、待合わせから1時間後。

会えたのはさらに30分後。
祭りに似合わないスーツ姿の営業マンが現れた。
Sさん「ほんっとにごめんなさい!」

にこ「お疲れさまです。お茶してたから大丈夫ですよ~」

こんなに人を待ったことって人生で初めてかも。笑
まあ、連絡をくれてたのと、営業先でお客さん事情だと知っていたのでおとなしくお茶してました。

にこ「どこ行きます?」

Sさん「とりあえず、こっち歩きますか」

 

あれ、だいぶ前に調べておくって言ってたけど、特に調べてなさそう。
歩きながらふたりで調べて、暑かったのでひとまず立ち飲み屋へ。

わたしは待ちぼうけで疲れちゃって、
Sさんは仕事が忙しかった+急いで来てくれて疲れちゃったのか
会話はあまり盛り上がらず・・・

前にカエル化現象なKさんとの中学生デートで行こうとして予約が取れなかった焼肉屋が近かったので、提案してそこに行くことに。

焼肉屋では楽しくお話して、わたしのお仕事に話になり、
リリース予定のあるサービスのモニターに協力してもらえませんか?と、聞いてみた。

 

ここから雰囲気が一転。

内容はプロテインの試飲モニターで、
Sさんが筋トレガチ勢ということもあり、飲んで感想教えて~って軽い気持ちでお願いしてしまったのですが・・・

まず、商品のコンセプトとか特徴、内容を説明。
サンプルと、紙のアンケート用紙(美味しさなどを☆5で評価するだけの簡単なもの)を渡したら

これは、全員に説明してから渡しているのか?
説明しないとアンケートの意味がないんじゃない?
美味しさを☆5で評価ってどういう意味?
満足度を☆5で評価ってどういう意味?

 

などなど・・・

なぜかめっちゃ食って掛かってきまして。笑

なんなら先に細かい質問をされたので、それを今から説明するんですけど聞いてほしくて、って話し出したくらい。笑

 

にこ「はい。全員にこうして直接説明してから協力してもらってます」

Sさん「美味しさはどれくらいですか、って主語と述語がおかしいよ」

にこ「・・・?(おかしくないやんけ)」

にこ「すみません、軽い気持ちでお願いしちゃったので、もし無理だったら断ってもらって大丈夫ですよ」

Sさん「いや、そうじゃなくて!」

にこ「・・・??」

Sさん「俺が馬鹿だからわからないんだと思うけど、これをどうしたいのかがわからないってだけ。」

このアンケート、すでに30人ほどにお願いしていて特にそつなくできていたので、こんな反応が返ってくるとは予想していなかった。

繰り返しになっちゃうますけど、とどういう目的でモニターをお願いしているか、アンケート結果をどういうふうに使うか、商品の特徴を説明した。
気分がのらなかったり意味がわからなかったら気軽に断ってくださいと。

Sさん「他の人はわかると思うけど、俺はわからなかっただけ。もうこの話はおしまいね!」

最終的に受け取ってくれたけど、
そんなことより地獄の雰囲気になってしまった・・・笑

なにが気に障ったのかわからなかったし、会話でお互い納得して気持ちよく協力してほしかったのになあ。
はい、おしまい!っていうのはわだかまりが残りそうでちょっともやもや・・・

とはいえ、地獄だったのでひとまず話題を変えよう。

にこ「うんうん、ありがとうございます。気が向いたらでいいですから。話変わるけどこの前ね・・・」

 

んで、気まずいのでどんどんお酒を進めてしまい、
Sさんのお酒失敗トークで盛り上がる。
酔っぱらってスマホや財布や鞄をなくしちゃったり。
気づいたころには、目の前に座るSさんは目を閉じたまま肉を食べていた。笑

目を閉じたまま、ジョッキのハイボールを飲む!だん!っとテーブルにグラスを下ろす音も大きくなる。
目を閉じたまま、取り皿にあるクッパをもぐもぐ。

赤ちゃんかよ?

あ、これは寝ちゃうのでは・・・

 

と、思った頃には時すでに遅し。

座敷だったのですが、さっと向きを変え、壁にもたれる。

 

 

すやぁ・・・

 

 

 

ね、寝たーーーーーーーーっ!!!!!

寝んのかーーーい!!笑

 

店員さん「お待たせしました、上ハラミです」

このタイミングで!
頼んでたんかいー!!笑

 

しかたなく、ひとりでお肉を楽しむ。
←起こさない

(建前)忙しいのに無理して時間作ってくれてありがとう。

(本音)1時間半も遅れてきて寝んのかい。

と葛藤する。
でもおもろいからいっか。

 

しばらくして、席の都合で退店を伝えられる。

起こすか・・・(しぶしぶ笑)

 

にこ「Sさ~ん」

声を掛けるが、起きない。

手を引っ張って上体を揺らす。起きない。

頬をペチペチする。起きない。

腕を引っ張って、離す。上体がゴン!っと壁に当たる。起きない。
(ひどい)

口元からは、ユッケのたれが垂れている。
(だから赤ちゃんかよ)

 

え。死んでる・・・?笑

どうしよう。
Sさんは80kg。腕を持ち上げるのにも必死なわたし。
起きてくれないとお店に迷惑がかかっちゃうよ~?

5分くらい呼びかけ続け、隣の席のカップルに可哀そうな目で見られ始めた頃、急にSさん起床!

 

Sさん「うわ!寝てた~!ごめん!!」

くるっと向きを変え、クッパを食べ始める。

 

 

なんでやねん。

 

もうね、心からの。なんでや。

にこ「いい、いい。もう食べなくていいから、出ましょう」

Sさん「うわ~」
(まだ食べる)

にこ「いいって。笑、もう次のお客さん来ちゃうから行きますよ~」

Sさん「あ、じゃあお会計」

にこ「もうしましたから。早く出ましょう」

会計、高級店でもないのにふたりで2万円だった。爆
Sさんはお酒を10杯も飲んでた。笑

 

お店を出て、まだ明るい川沿いを歩く。
Sさんはわたしに掴まりながら可愛い彼女みたいに腕を組んでくる。笑

とりあえず川沿いに降りて近くのベンチに座る。
また寝られたらたまらないので笑、しっかりするまでしばらく会話する。
落ち着いたのでコンビニでお水を買って戻ると、
Sさんは煙草を吸っていた。

喫煙者だったんかい。

 

いいけど。よく今まで隠してこれたな。

わたし自身がお酒が弱くて苦労したし、過去に危ない目にあったことがあったから、パートナーになる人はお酒が強い人が安心でいいなと思っていた。

けど、

お酒を飲まない人がいいかも。笑

そんな良いスーツ着て、良い時計して、そんだけ開放的だと盗ってくれと言ってるようなもんよ?
わたし、いくらでも盗むチャンスあったもん。笑

 

その後しばらくベンチでまったりして、また可愛い可愛いと口説いてくる。

Sさん「あー、可愛い。好きだよ」

にこ「ありがとう。酔っ払いに口説かれても嬉しくないんですけど」

Sさん「もう酔ってないよ!」

にこ「あれだけ泥酔した後に言われてもねえ」

Sさん「ほんとにごめん」

 

そして、めちゃめちゃ触ってくるーーー

にこ「やめてって」

Sさん「俺のことはどう思ってるの?好き?嫌い?」

にこ「好きだよ。でも今のSさんは全然好きじゃない。ちゃんとして」

Sさん「ちゃんとしてるよ?」

 

このやりとりを100回くらいして、しばらくして帰ることに。

Sさん「今日やっと思ってること話してくれたね」

にこ「うん?(なにをそうとらえた?)ちゃんとしたい、わたしは」

Sさん「順番が違うってこと?」

にこ「まあ。そうだね~」

 

・・・

 

何も言ってこない。
これは、改めてちゃんと告白して付き合うか
遊び相手とするか
お互い黙って気まずいまま、すぐ駅に着いてしまった。

何回も会って時間をかけているから今更遊び相手になることはないと思っていたし、そもそも私は遊び相手は探していない。

Sさん「そうだ、焼肉のお金払わせて」

にこ「ありがとうございます」

じゃあ、と言って逆方向の電車に乗る。

いつもは必ず次の約束をして別れていたし、すぐにきていたLINEが来なかった。

 

なんかすごい1日だった気がする。
はじめて嫌なところや合わない部分が見れたし、ぬるっとしてバイバイしてしまった~。

 

この後しばらくLINEして改めて会う約束だったけど、結果会えなくて(台風で電車が止まって)それも運命か~、となんとなく連絡を取らなくなってしまった。

良いタイミングではっきり告白していたら?
最初に恋愛観や結婚観の話をしっかり伝えていたら?
最後に台風が直撃しなかったら?
と考えればきりがないのですが、悔しいので記事でネタとして昇華しました。

読んでくれてありがとう。
さて、次回、次の出会いを求めて!

 

バチェラーデート

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