年下関西人のSくんアゲイン④

会ったことがない人を好きになった話

一旦、お部屋に戻る。

玄関にあるスニーカーが、わたしとおそろいだった。

有名スニーカーブランドの人気シリーズだけど、同じカラーの人を初めて見た。

ファッションの好みが合うかもしれない。

 

「落ち着きました?」

 

「ん?わたしは慌てない人間なので、ずっと落ち着いてます」

 

そう言う彼はずっとウロウロしていた。

 

「自分ちなんだからくつろぎなよ」

「近くに広い公園あるんで、散歩でもします?」

「お散歩もいいですね〜、でも35分の電車で帰ります」

 

もうちょっと話したいな、くらいで帰るほうが、また会ってもらえる気がする。

 

「駅まで送ります」

「いいの?ありがとう、嬉しい」

 

信じられますか?

先週まで、デート帰りは逃げるように去っていたわたしの口から「嬉しい」とは。

 

 

駅まで並んで歩く。

深夜だからかまわりに全然人がいなかった。

「第1村人発見!遠くに」

「村人ってか街人やん」(ギャルだった)

「ははは」

 

「にこさんは自分に自信あります?」

「あるよ」

「あるんや」

「うん!美人だとは全く思ってないけど、気が利くし優しいし、クリエイティブで、芯があって、いい奴だよ?」

わたしは、わたしなんて、、、って言ってる人には魅力を感じない。

日本人の謙遜があまり好きじゃない。

「わたしはSくんの外見はどうでも良くて、生命体としてとっても素敵だと思ってるよ」

Sくんのことを、見た目で好きになったわけじゃないよ。と、言いたかったけど、ほぼ告白になるのでやめた。

「生命体てなんやねん。笑」

「あはは!生きようとしてる感じ?」

 

「会ってみて僕の印象どうでした?」

「もっとモサいと思ってた。笑」

「え?」

「LINEのアイコンでは髪が長かったから」

「ああ」

「わたしはどうだった?イメージどおり?」

「小さかった。あとモサくなかった」

「ふふふ。身長何cmです?」

「174」

「じゃあ20cm以上差がある」

「20cmか、ちょうどええな」

「なにに?」

 

 

駅に着いた。

 

「着いちゃった!送ってくれてありがとう。ここで大丈夫!」

 

スタスタ、、、

彼はそのままエスカレーターを下っていく。

あれ。聞こえなかったかな?

 

 

「花火がなくてもまた来てくれます?」

 

 

え。

バレンタインのイラスト「愛のキューピッド」

トスッ

 

なにそれ。こっちも見ずに。

かわいいかよ。

 

 

「今日、わたし花火しに来たんじゃないよ?」

「ん?」

「会いに来たの。花火がしたくて来たわけじゃない」

 

 

「じゃあ今度は、、、うーん、、、うちで飯作ってください」

「それは嫌。笑」

 

一緒に食事したこともないから好みもわからない人に、使い勝手のわからないキッチンで料理するのはハードルが高い。

 

改札前まで送ってくれてバイバイした。

 

わあ、なんか、良い夜だったな。

電車に乗るとしばらくしてLINEが鳴る。

「来てくれてありがとうございました。良い夜でした」

 

わあ、同じこと言ってる。

顔がニヤける。

 

なんか、いつものおふざけブログと違ってごめんなさい。

これはこれでわたしに起きたノンフィクションなのです。

エモのエモエモです。

 

 

たぶん続く。

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