年下関西人のSくんアゲイン②

会ったことがない人を好きになった話

おかしな話だ。

何度も何度も、長い時には4時間も(!)電話で話してるのに、どんな性格で何に興味があって、何が好きで何をされたら嫌で、今どういう状況なのか知っている。

こんなこと誰にも話したことない、って話も聞いたしわたしも話した。

なのにその人とは会ったことがない。

 

「会いに行ってもいい?」

 

半年前の最後の会話は、
「にこさんのことを良いなと思っている。けど(仕事が寝る時間もないくらい多忙で)土俵に上がれてない。
にこさんに会いたくない。会って「こんな奴か」ってガッカリされるのが嫌や」

と、言っていたので、返事がくるまではどきどき。

 

 

 

「ついに会いますか」

 

ついに???

そのとおりなんだけどラスボス感!

 

やったー!!!

やっと会えるぞ!!!うれしい!!!

 

その後電話がきて、

「まだ仕事してて。今ちょうど最後の奴が帰ったんでかけちゃいました」

「え、どうする?こういう時、食事とか飲みにでも行くのが普通なんだろうけど、もうわたしたちの関係性が普通じゃないからな〜」

「そやな、、、俺はもう、ダラダラ喋れればいいんやけど」

「お散歩でもする?夏らしいこともしたいけど、暑いか」

「花火でもします?」

「それ思った!あり!!」

「まあ他になんかあったら言ってください。僕も調べておくんで」

ということで、彼の自宅マンションの屋上で花火しよう、と。

 

初対面で自宅、、、

とは よぎったけど、真夏で暑いし、いまさら食事ではじめましては気まずい。

なにより人となりがわかってるので、変なことはしてこない人だって知っている。つもり。

 

は〜、楽しみだなあ。

 

それから2週間後。

「いつ会います?」

「いつが会えるんだい?」

「明日の晩は?」

「明日は泊まりで仕事なの。土日は1ヶ月くらい先になっちゃう」

電話がかかってくる。

「明後日はどうすか?」

「ありがとう、空いてる!」

その後、ひとりカラオケ中の彼に曲をリクエストして、電話越しに一緒に歌うという謎の時間。

なにこれ。笑

backnumberの水平線。

あいみょんのマリーゴールド。

他の音楽の趣味は全く合わなそうだった。笑

 

わー!何着ていこう?アクセサリーはどれにしよう?メイクとヘアスタイルはどうしよう?

1mmでも多く可愛いと思われたい♡!

 

外の炎天下でのお仕事だったので、髪はパサパサ、肌は日焼けして、汗疹までできて、全身むくんでる。

よりによって1年でいちばん最悪のコンディション!!?

でも、超面食いのわたしが、初めて顔以外で好きになったし、相手もそうである、はず。
わたしの中身を見てくれているはず。

 

ひとつだけ心配なのは、どちらかが一瞬で「あっ、生理的に無理」ってなることかな。笑

わーどうしよう、なんて会話しよう?

バチェラーデートで鍛えたトークスキル、初対面の人にしか効かない!?

彼は初対面だけど何十時間も話してるからなあ。

そもそもわたしよりトークスキル高いからな、、、

なんて考えて、疲れているのに全然寝れない。

ただでさえコンディション悪いのに、寝不足なんてたまらん。

 

当日、住所が送られてくる。

「20時30分には家に帰るんで」

「はーい!」

 

「トラブル起きて21時30分くらいになります、すみません」

「はーい!頑張って!」

 

「花火は帰りに買って行きます!タクシーで来る?出すよ!」

「花火ありがとうございます!電車で向かってるから大丈夫!」

「了解」

 

「ごめん、急病人で電車が止まっちゃった、、、」

 

なかなか会えない。

 

やっと彼の自宅の最寄り駅に着いたのが22時。

出口で男性に声を掛けられる。

「こんばんはー!」

わっ。

「こんばんは!」

(条件反射)

えっ?

「暑いですね〜」

えっ??駅まで来てくれてたの?

「ほんとですね〜」

「もうごはん食べました?」

「いえ、食べてないです」

「じゃあ一緒にどうですか?」

 

えっ???

 

駅まで迎えに来てくれた?

ごはんに行く話はしてないよね、、、?

なにより、なんでわたしがわかった??

 

LINEが鳴る。

 

「出口わかんなかったら連絡して〜」

 

えっ?????

 

「この後予定とかあるんですか?」

 

うおおおおおい!!

目の前の男は、シンプルに誰やねん。

 

「すみません、約束してるので」

 

今日に限って、紛らわしいことすな!!!

 

ほんとに、なかなか会えない。笑

 

駅から徒歩5分、彼の自宅に到着!

どきどきどきどき、、、

 

ピンポン気まずい。電話する。

「おまたせ!マンションに着きましたー!」

「あ、着いたー?」

 

カチャリ。

玄関ドアが開く。

ちらっと、日に焼けた腕が見えた。

 

 

つづく

コメント

タイトルとURLをコピーしました