続きです。
広いソファ席に対面で座る。
料理をオーダーすると、
「にこさん!飲み物が届いたら自己紹介しましょう!」
「えっ。はい!じゃあ届くまでどうしましょう?」
「しりとりしましょうか」
え。
斬新。笑
なんで?初対面でしりとりしてる数分間は気まずい。
仕切りたいタイプなのかな、、、
「ちなみに僕のどこが良いと思ってマッチしてくれたんですか?」
「えーと・・・写真の雰囲気と、プロフィールがポジティブそうだったので」
生理的に無理な人以外とりあえず全員とマッチしてます。とは言えず。
飲み物が運ばれてきても長田さんの話は止まらなかった。
「えーと、自己紹介します?」
「あっ!しましょうか」
忘れてたんかい。笑
長田さんはまるでお見合いのようにフルネーム、年齢、出身地、職歴、趣味などを教えてくれた。
「僕の名前は長田庄平、出身は山梨県です。〇〇大学を卒業して、△△に入社して、4年で~~」
わあ、これ、わたしも同じ項目を話さないといけない感じかな・・・
◯◯にアルバイトで入って、1年で契約社員になって、2年で正社員になった話。
次の会社もアルバイトから始め、1年で社員になった話。
「つまり!僕、仕事できるんですよ!」
う、うん。
結果がついてきてるから、本当にそうなのかもしれない。
友達に言われたらなんとも思わないけど、初対面でよく知らない相手に言われると
「ぼくちん、優秀なんだぞっ!すごいんだぞっ!褒めて褒めて!」って言ってるようにしか見えなかった。笑
趣味や仕事の話は聞いてて楽しいけど、わたしが知りたいのは「なぜ」その趣味なのか、「なぜ」その職業を選んだか、「どう思って」転職したのか、思考の部分なんだよなあ。
長田さんはめちゃくちゃよく喋った。
わたしが話している途中でも遮って自分の話をしたがる。
「先月北海道に行った時に、」
「北海道!いいですね、僕も出張で言ったことがあるんですけど、その時は~~」
「にこさんはお休みは外に出かけますか?」
「キャンプが好きですね。先週は、」
「キャンプか!子供のころ行ったけど、神奈川に家族で行って~~」
これが何回も続き、話を遮っている自覚も特になさそうだったのでわたしも諦める。笑
関西弁の年下Sくんもよく喋る人だったけど、しかも毎回3時間も4時間も電話していたのに、1度も喋りにくさを感じたことなかったな、、、
なんというか、長田さんとは「間」が合わない、という感覚だった。
そしてよく食べる!
僕が取り分けますねっ!と張り切ってくれるが、長田さん8:にこ2ぐらいの割合になる。笑
わたしも自己紹介をさらっとして、同じ年だということが判明。
職場の最寄り駅も同じ、そのうえ隣のオフィスビルだった。
それに、長田さんの地元にたまたまわたしが行ったことで、地元トークで盛り上がる。
「わたし先週仕事で行きましたよ、どのあたりですか?」
「たぶん言っても伝わらないと思うけど、◯◯駅」
「あー!その近くのジェラート屋さんが友達のおすすめで、すごく美味しかったですよ」
「えっ、△△ですか?僕、そこの裏の学校を卒業してて、めちゃめちゃ近所です!」
「えー!偶然ですね」
それから、わたしの仕事の話などしていると、さっきまでわたしを遮ってまで喋っていた長田さんがだんだん静かになっていった。
「すごい人ですね!」「尊敬します」「いや〜、その発想はすごいわ」
めちゃめちゃ褒めてくれる。
嬉しいけど、もし彼氏なら
「そーいうところ好きだよ」とか
「すごいな、俺も頑張ろ」
くらいがいい!!
おこがましいのは承知で書きますが、憧れられちゃうとあんまり良い関係性にならない。
結果、目の前の長田さんはもうわたしに好意があるのがはっきりわかる。
「この話って、他の人に話しても興味もちますか?」
あー、これは、「僕だから」こんなに盛り上がるんだよ!って言いたいんだろうけど・・・
「はい、ほぼみんな面白いって言ってくれますね」
「あ、そう・・・ですよね」
盛り上がるから、わざわざ話題に出してるのよ、残念ながら。
「コーヒー飲みたくないですか?この後スタバでも行きません?」
「あ~、ごめんなさい。わたしコーヒー苦手なんです」
「じゃあ甘いものは好きですか?」
「普通に好きです!でも普段自分で買ってまでは食べないですね」
「他のカフェでも行きます?」
しつこいな。笑
「カフェならこことメニュー変わらないんじゃないですかね~、食べたいものあればどうぞ」
「うーん、じゃあ・・・あ、アフォガードがある!これ一緒に食べましょう」
アフォガードが運ばれてくる。
「僕に、あーんしてください」
は?
「え、嫌です」
「あはは!そうですか~じゃあ、あーんしてあげます」
は???
「いや、しませんよ」
「あら、残念」
引。
(しかもコーヒーが苦手って言ってるのに。笑)
「にこさん、内面もすてきですね。きれいだし!僕はどうでしたか?」
「うーん・・・」
正直、わたしとは合わない気がする。笑
「・・・よくわかりませんでした。」
「わからない?」
「はい。経歴とかはわかったんですけど、書類を読んでるみたいな感覚でした。
最後に泣いたのって、なんですか?」
「泣いたの、、、年齢的にも泣く頻度高くなっちゃったんですよ~」
「、、、ん~、じゃあ、されて嬉しいこととか嫌なことってなんですか?」
「なんでも嬉しいです。僕に興味がないのは嫌ですね」
うん、この感じ。
質問の意図が伝わっていない感じ。
質問の答えになっていないし、答えがふわふわしている感じ。
この人はYES、NOや意見が曖昧でよくわからない。
「ははは!なんか、品定めされてるみたいですね」
「あ、そう感じさせてしまってたら本当にごめんなさい。」
どんな人なのか知りたくて、エピソードが聞きたかった。
お会計はきっちり割り勘でした。
いや、わたしよりめちゃ飲んで食べてたのに割り勘て。
翌日も、またデートしましょう?とLINEが入っていたけど、行く気になれずに既読スルー。
色んな意味でおなかいっぱいです。
チョコプラの長田さん、完
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